恋心屋
「裕太さんの手は、温かいですね。とても落ち着きます」
ミツキさんは、時折力を優しくこめるように、僕の指を1本1本丁寧に握ってくる。
「ミツキさんの手も気持ちいいですよ」
ポテトよりも細い指には、鋭さを感じる。
「冷え性なだけですよ。夏ならもっと気持ちいいんでしょうけどね」
ふふふ、と笑うミツキさんを見ながら、夏にはこういう関係にはなっていないんだろうとおもった。
期日が過ぎても会えるんだろうか。
それとも……。