コントラスト~イケメン達のLOVE争奪戦~
ペシッ
「いった!何すんだよ、秀!」
後ろから伸びてきた手に頭をはたかれ振り返る。
そんな平野くんの視線も無視で、桐山くんはわたしに微笑みかける。
「おはよう、倉持。」
久しぶりに見た桐山くんの笑顔と優しい声。
「おはよう!」
怖さなんてすぐ消えた。
「桐山くん、おはよう!!」
「おはよう、桐山く~ん!」
女子たちがワントーン高い声で桐山くんに迫り群がる。
「おはよう、みんな。」
桐山くんは、女子たちにも爽やかな笑顔で挨拶を返している。
はあ・・・・。
確かに、王子様だ。
「お~い!俺には?
ね、俺にも『おはよう』って可愛く言って?」
「うるさい!平野。散れ!!」
クラスでも、とくに平野くんを嫌っている真希(まき)。
美人なんだけど、毒舌なんだよね。
二学期になっても、相変わらず嫌いなんだ・・・・。
「真希の言うとおり!向こう行って。」
「ひっで~~!!!」
女子に邪険に扱われ、泣き真似をしながら
わたしの元へ来た。