黒猫独語
 女子高生は黒い猫の前に来ると、しゃがみこんだ。

 あっ、ひらひらしてる! 気になるわ気になるやん。

 黒猫は背中をアスファルトにつけ、寝転がり、女子高生のなめらかに動く指先に前足を降った。じゃれてくるそれをたくみによけ、ひっかかれないようにしている。

「映美ー、このコなついてるよー」
 と、嬉しそうな声で遠くから見ている友人たちに伝えた。
 
 少し経つと黒猫をじゃらすことに飽きたらしく、立ち上がり、離れて見ていた二人とその場をあとにした。
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