トツキトオカ
ことのはじまり
結婚して3年になる頃、私たち夫婦は都内に家を建てた。
正確に言うと、私の夫は都内に家を建てた。
彼は結婚当初からいずれは、出来れば近いうちに自分の家を持ちたいと考えていたらしく、2度目の結婚記念日を過ぎた頃私にこう問いかけた。
「子供とおうちと、どっちが先に欲しい?」
その問いかけに私は家と即答し、それから約半年後にマイホームを購入した。
当時私は28歳。
正直もともと子供好きな訳でも無く、まだまだ遊びたいというベタな理由で家を選んだ私を、夫はかなり疑っていた。
「本当に?家買ったら、少なくても1~2年は子供作れないよ。我慢できる?」
「できるよ」
「30超えるよ」
「余裕だよ。最近は30超えてから産むのが当たり前だし」
「でもさ、その頃になったらきっと周りの友達にもどんどん子供が産まれると思うよ。そうなると絶対自分も欲しくなると思うよ」
「大丈夫だって」
「そう?後からビービー言っても知らないよ」
「そんなの言わないよ~」
なんてやりとりが何度か繰り返された。
1~2年なんてあっという間だと言い切る私を、夫は最後まで疑いの眼差しで見ていた。
そしてマイホーム購入から半年後。夫の予感は見事に的中した。
正確に言うと、私の夫は都内に家を建てた。
彼は結婚当初からいずれは、出来れば近いうちに自分の家を持ちたいと考えていたらしく、2度目の結婚記念日を過ぎた頃私にこう問いかけた。
「子供とおうちと、どっちが先に欲しい?」
その問いかけに私は家と即答し、それから約半年後にマイホームを購入した。
当時私は28歳。
正直もともと子供好きな訳でも無く、まだまだ遊びたいというベタな理由で家を選んだ私を、夫はかなり疑っていた。
「本当に?家買ったら、少なくても1~2年は子供作れないよ。我慢できる?」
「できるよ」
「30超えるよ」
「余裕だよ。最近は30超えてから産むのが当たり前だし」
「でもさ、その頃になったらきっと周りの友達にもどんどん子供が産まれると思うよ。そうなると絶対自分も欲しくなると思うよ」
「大丈夫だって」
「そう?後からビービー言っても知らないよ」
「そんなの言わないよ~」
なんてやりとりが何度か繰り返された。
1~2年なんてあっという間だと言い切る私を、夫は最後まで疑いの眼差しで見ていた。
そしてマイホーム購入から半年後。夫の予感は見事に的中した。
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