しみる恋。

「う、うん……」


ニコッ、と彼女が渡したハンカチを忘れて去っていく。


「あ……明日返さなきゃっ、て――もう、夜明けだ……」


パチン、と泡がはじけるように、ビアガーデンのライトが落ちた。

< 116 / 141 >

この作品をシェア

pagetop