しみる恋。
鼻につうんと、水の匂いが漂った。


「苦し……」


自殺まがいの行為に、周囲もあきれ果てた。

彼女の必死の看護もなければ、溺れ死んでいただろう。

ただ、あの時の口付けは――。


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