しみる恋。

「えっ」

「観光スポットからは、外れてるから。結構な穴場よ。あまり、人も来ないし」


豊は、登って来た峻厳な崖を見降ろした。

来るときはまだしも、夕方だった。

ならば、帰りはどうするんだろう。

それを聞くと、沙穂はくすくすと笑った。


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