［続］愛しき人

そして、俊哉が口を開いた…
「美咲は俺の妻だ。その妻がキサマのような男と付き合うわけがないだろう…」

口調は穏やかになっていた…きっと怒りを通り越したんだと思う…

「つ・ま？？じゃあ…結婚してるってこと？？」

「そのままの意味だが…お前の頭は飾り物か？
言葉を理解できないようだな…」
久しぶりに毒舌…

「だって…美咲ちゃん、若くてかわいいのに…こんなおやじと結婚？？」

俊哉がそんな生意気な言葉を聞き落とすはずもなく…

「こんなおやじでわるかったな。
キサマのような中身のない男と一緒にするな。
まして、美咲はお前のような外道が近づけるような女じゃないんだ。
いいか…二度と触るな。近づくな。

前田！！貴様も何をしていたんだ。美咲のことを頼んだはずだか…
頼まれたことくらい、しっかりやれ。そのくらいのことができないカスなら企画開発の課長など勤まらん。辞めちまえ…」

彼は俊哉が課長にも食ってかかっているのを聞いていて…
「前田課長の知り合いなんですか？」

などど、言っている…

課長もあきれ顔…会社のトップの顔を知らないとは…お粗末な奴…
ましてや、俊哉のことは経済誌で容姿端麗で敏腕な社長として取り上げられるほど

課長もいい加減、嫌気がさしたようで、

「お前、うちの会社のトップの顔知ってるか？

「当たり前です。憧れている人ですから…」

「おい！！その憧れている人が目の前にいるよ…ほら…」

「・・・・・うそ・・・」

「キサマはあほだな…よくそれで企画開発に居れるな…今後のことは検討させてもらう。今日はこれでお開きだ。前田、後はたのんだぞ。美咲を連れて帰る…」

「はい。社長…お気をつけて・・・」


その後の、彼が前田課長からのお叱りを受けたのは言うまでもない…

でも、どうして、彼がそうなったのかというと、
今まで（私がお休み後）朝コーヒーを入れてくれるような人はいなかったようで…
彼曰く…「僕のためにみんなに入れているんだぁー」と勘違いしたらしい…