[続]愛しき人
新たなる一歩
今日も、社長がやってきた…

なれてはきたものの、やはりみんなの目が…

私は課長もみんなにも苦労をさせているのは耐えられず…

『社長…お話があります。会議室までいいですか?』

つい、社長を呼び出してしまった…

社長を呼び出すなんて、冷静に考えればおかしいことに気がついたはずなのに、その時の私は冷静ではいられなかった…


『なんで、何度もくるんですか?いい加減にしてください…』

「みさきが心配なんだよ…」

『社長の仕事はどうなっているんですか?働いてください…』

「それは大丈夫だよ。スケジュールに、企画開発の時間を作っているから・・・」

あいた口がふさがらないとはこういうことを言うんだ。。。

5分でいいから時間をとってほしいと行ってくる業者さんは山ほどいる。
でも、それすらも作ることができないくらい俊哉は忙しい・・・はず。・・
スケジュールも一時間単位ではなく分単位となっていた・・・。

なのに、なぜ??企画開発への時間はとれるの??一日に数回も??


「秘書が仕事にならないから、一日に数回スケジュールに入れるから、他の時間は執務をきちんとこなしてくれというんだよ・・・」

私の顔になぜ?とかいてあったんだろうか・・・

そんな・・・執務に影響が出るくらいなのだろうか・・・
私の存在は俊哉にとってそんなにも大きなものなのだろうか・・
びっくりもしたけど、うれしくもあった・・・


それとこれは別。きちんとしなくてはいけない。その時点で二通りの選択肢しか残っていないように思えた。

 私が会社を辞める・・・
 俊哉が私の夫だと周りに伝える・・・

どちらかの選択しかない・・・

周りも仕事にも慣れてきたところ・・・
辞めたくはない・・・
けど、周りが社長夫人を認めてくれるのか・・・
不安だった・・・
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