[続]愛しき人
私に俊哉は一言残し出て行った・・・

「みさき。俺が今でも一番愛しているのは美咲だけだ。信じてほしい。
俺はあの夜ことは覚えていないんだ。なぜだかわからない。今までこんなことはなかった。あんなになるまで飲んだ記憶もないんだ。・・・
でも、いいわけだな。すまない」


俊哉は肩の力を落とし、そのまま帰って行った・・・

あんなにも輝いていた目を持っていたはずなのに、

そんな輝きはなかった・・・

でも、こんな状況でも私はどこで、今言っていた俊哉の言葉を信じたいと思ってしまった。

私は、俊哉の妻なのに、なんで愛人が気持ちよく生活しているのだろうか・・・

だんだん腹が立ってきた…なんで、私が泣いていなければならないのだと。


いつも、泣いてばかりで、今までも俊哉によりかかりすぎていた。

俊哉はきっとウソは付いていないだろう…子供ができたから責任を取る形になったんだろう。

でも、本当に俊哉の子供なのだろうか?小さな疑問だった…

それでも、その疑問にすがりたかった。

私は、急きょ、兄にメールをした…正直兄には会社のこともあるので、言いたくなかったが、兄しか頼れなかった。

兄は、すぐに手配をして調べてくれていた・・・


< 95 / 117 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop