[続]愛しき人
こんな内容を示されて、俊哉が怒らない訳がない。

俊哉ははめられたということになる。

しかも、こんなにも長い期間…

俊哉は、どんな状況においても誠実に対応をしてきたから…

私は、なんと言ったら、いいのか分からなかった。



「みさき…俺、本当に自分の子供だと思ったから、必死で面倒を見てきた。

それでも、子供だけで、その女とは何もしてないから。それだけは信じて。

そんなことになって、美咲と顔を合わせるのがつらくて、仕事に逃げてた。

なるべく、顔合わせないようにって…逃げだよな…最低だ。

ごめん。美咲を苦しませて…美咲が望むようにして。

俺…離婚してもいい。それだけのことをしたんだから…」



俊哉は、そんなにも簡単に私と別れられるんだ…
私を必要としてないんだ…そんな風に思ったら、涙があふれてきた…グスmm
俊哉の本当の気持ちを知りたい…俊哉はどうしたいの?
とめどもなくあふれてきた涙とともに、私は叫んでいた…



『俊哉はそんなにも簡単に私を捨てられるの?

私の存在はそれだけのものなの?俊哉はどうしたいの?

私には、俊哉しかいないのに…愛しているのに…

どうして?どうして?ねえどうして?』


声が…出た。


父も、俊哉も驚いて顔をしていた・・・

「「みさきっ。声…しゃべれるようになったのか…」」

『あっ。ほんとだ…声が出てる。声が…』
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