ありがとうって言いたくて



私は、自分で思っていた事に少しショックを受け、机に顔を伏せていた。



すると、仙崎くん達の話が耳に入ってきた。




「俺暇だしな…。家帰ってもやる事ねェしー…」




仙崎くんは、少し考える素振りをし、その女の子にニッと微笑んだ。




「じゃー、行くって事で」




その答えを聞いたとたん、




「やったぁ!!嬉しぃー!」




と、飛び跳ねる女の子達。



(仙崎くん、カラオケでどういう曲を歌うんだろう…)



仙崎くんが、歌っている姿を想像して、少し笑みを浮かべた。




「じゃー放課後、駅前のカラオケねぇー!」




女の子は、仙崎くんに手を振って帰っていく。




………あれ?
駅前のカラオケって…。




私は、みるみる顔が真っ青になって行く。



「どうしたの、華?」



詩織ちゃんが、不思議そうに首を傾げている。




「駅前のカラオケって…、私のバイト先だよ…」



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