マイペースくんの攻略法
少し焦った私に、ミケは淡々と続ける。
「その時階段で、さっきミイと一緒にいた人に会って宣戦布告された」
「へ……」
「しかも今日、ミイは視線逸らすしアイツはミイに近付くから、なんか嫌で。でも女の子に行くなって叱られて…」
呆気に取られた。
だって、それじゃあ、まるで。
「とにかく、ミイを、取られるのが怖かった。アイツに、触られたくなかった」
胸が強く、強く締め付けられる感覚。
「そ……んなの、勝手だよ」
でも信じられなくて、冷たい言葉を言ってしまう。
声は情けないくらい震えていた。