マイペースくんの攻略法
「……え、あの」
カア、と自分でも驚くくらいに顔が火照るのが分かった。
ミケはまた抱き着いて来て、それこそ猫みたいに頬を擦り寄せてくる。
温かくて、なんだか心地が良い。
くっついてくるミケを受け入れながら、気になった事を聞いてみる。
「……今、だけ?」
「ん。ずっと」
もしかしたら、これも気まぐれかもしれない。
でも、きっと……
「ミイ」
名前を呼ばれて、視線を絡ませる。
瞬間、何か柔らかいものが唇にぶつかった。
「……え」
き、キス!?
目を見開く私にへにゃ、と力無く微笑んで。
「順序逆だけど。付き合って、ミイ」
ずっと、私が望んでた言葉を口にした。