マイペースくんの攻略法

「……え、あの」


カア、と自分でも驚くくらいに顔が火照るのが分かった。



ミケはまた抱き着いて来て、それこそ猫みたいに頬を擦り寄せてくる。



温かくて、なんだか心地が良い。

くっついてくるミケを受け入れながら、気になった事を聞いてみる。


「……今、だけ?」

「ん。ずっと」



もしかしたら、これも気まぐれかもしれない。




でも、きっと……


「ミイ」



名前を呼ばれて、視線を絡ませる。



瞬間、何か柔らかいものが唇にぶつかった。


「……え」


き、キス!?

目を見開く私にへにゃ、と力無く微笑んで。


「順序逆だけど。付き合って、ミイ」


ずっと、私が望んでた言葉を口にした。



< 22 / 27 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop