マイペースくんの攻略法

「―……いきなりごめんなさい」


ん?


夢心地で歩いていると、階段の陰から声がする。


高い、可愛らしい声。


「私、三ヶ谷くんの事、好きなの」

……あ。


一気に現実に引きずり込まれる感覚。


「三ヶ谷」なんて名字、この学校には一人しかいない。


自由で、ふわふわしてて、猫みたいで。


そして……


「んー……良いよ」


絶対に、拒まない。


< 7 / 27 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop