あたしだけのタクシー
あたし、こんなに思うのはじめてかも。

「好きだよ?」

えっ?

いきなり聞こえるそんな声。
美声で、透き通って、あたしを揺さぶる。
結して高らかではないけれど、
低くても、人を魅了す、そんな声が、

あたしに好きだよ?といった。

「しょーへー?」

あたしは涙ぐみながら、祥平を呼んだ。
少し震えて、なんだかあたしじゃないみたいで、
そんでもって・・・

そんなあたしの思考回路を止めるように
祥平はあたしをぎゅっと抱きしめた。

「祥平、」

グスッとまだ泣き止めずにいたあたしを
この1つの行動で変えた。
君はすごいね、魔法使いみたいだよ。
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