あたしだけのタクシー
祥平は照れ隠しに下を向いた。
そしていきなりハイテンションになりながら頭を上げた。

「ごめんっ続きは後っ!
ほらっ遅刻すんよ!俺も行かなきゃ!」

えっ?さりげに話し変えた?!
そしてあたしをぐいぐいと車の外に出そうとした。

「やめてよっもう会えないかもじゃん!」

あたしは必死にそういった。

祥平の手の動きが一瞬にして止まり、
祥平はあたしだけを見つめた。

ドキンッ・・・

そういう容赦ない行動、やめてよ―・・・。

祥平は少し笑って、必死に祥平を見つめるあたしに

「帰りは、待ってる。
俺が、ここで」

といった。

祥平はあたしの頭を一撫でして、バイバイといった。
あたしはお別れを惜しみながらも、
少しは遅刻を考えて、“バイバイ”といった。



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