あたしだけのタクシー
ドアを開けるのを少し拒んだ。
でも振り向いたら、祥平・・・ばかりになっちゃう。
祥平はあたしがここをでるのを待ってるのかな?
帰りにならないかな~早く。

「ごめん、バイバイ」

もう一度言葉を交わすと、慌ててドアを開けた。

外は気持ちのよい風が通り抜けていて気持ちがよかった。
車はまだ後ろに止まっている。
振り返るなら今のうち・・・
あたしはぎゅっと歯をかみ締めて、振り返った。

そこには車に乗って悩殺スマイルであたしを見て、手を振る祥平が。
あたしはまた心を打ちぬかれた。
そして“キューンッ”と音を立てて萌えた。

慌てて気持ちを隠すように手を振ると、
祥平は手を振るのをやめて、ハンドルを握った。
そして、学校を去った。

会いたい、会いたい、
気持ちは高ぶるばかり。
どうやっても隠せないし、
どうやっても誤魔化せないし、
困っちゃうね?こんな気持ち。

“好きだよ?”

祥平の一言を思い出すだけで倒れそうなほどに嬉しい。
ああ、もういっその事倒れてしまおうか。
そう思うぐらいに、強く、愛したいと感じた。

祥平がいた位置に、祥平がいなくて、
車があった位置に、車がなくて、
そんな些細なことが、あたしにとって今一番大事で。

車が跡形もなく消えていることに不安を覚えた。
「好き」
もう一度言われたい。

遅刻とか、知らないっていうぐらいに君を思う。
それがどんなに幸せかってことは、これから知りたい。

好きな気持ち、好き好き好き!!!は、
誤魔化せないし、隠せない。
それに・・・時間は関係ないっ!
好きなら好きでいいじゃないっ!

いろんな好きを、これから覚えていきたいな。
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