Vrai Amour ~秋緒の場合~

「で、それからずっとあなたに片思い。ようやく結婚できる年になったからおじい様にお願いしたってわけ」



よく見ると、お嬢様らしからぬセクシー系の服を着て、髪も少し巻いてある。

咲子に対抗しようとしているのがバレバレだ。

顔はすっぴんのようだったが、長いまつげに大きな瞳はそれだけでも可愛い。

咲子も美人だが、千夏は可愛い系の美人だ。




「あんなおばさんやめて、私にしない?もっとあなたを満足させてあげられると思うけど?」



強気な発言の割に、指先が震えているのが見える。

男性との経験なんかないのだろう。

たぶんその服装も俺のために選んだもので、身に着けたのも初めてなんだろう。

そのミニスカートの下にも、もしかしたらセクシーな下着をつけているかもしれない。

そう思うと少しだけ興味を引かれた。




「お嬢様がそんな発言していいの?俺、遠慮しないよ?」



そう答えると、少しだけ千夏の体が震える。



「わ、私だってもう子供じゃないもの。自分で考えて行動できるわ」



ぷいっと千夏が顔をそらす。

その隙をみて、俺は千夏を抱き寄せた。
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