Vrai Amour ~秋緒の場合~
俺は押さえられた手をゆっくりと動かし、千夏の白い喉をすっと撫でるようにして
熱を帯びているその頬を包み込んだ。
ゆっくりと唇を離すと、ピンクに染まった頬の千夏が俺を見つめている。
「お願い、ちゃんと確かめてから選んで。私、本当に秋緒さんのこと・・・っ」
千夏が言い終わるか終わらないうちに、俺はもう一度唇を塞ぐ。
千夏のキスはすごく甘い香りがする。
舌を絡ませると、もっともっと甘くなる。
キスの合間に漏れる吐息さえも甘く感じた。
「甘いな、おまえ」
そうつぶやくと、千夏はますます真っ赤になった。
思わず、可愛いなと思ってしまう。
咲子にはそういう恥じらいがないからか。