Vrai Amour ~秋緒の場合~
4.奥様の本心
それは咲子が埋めてくれない心の隙間だったかもしれない。

長年なんとなく気づいていたことだか、咲子は他に好きな男がいるのではないだろうか。

その男に愛されたいのに、求めてはいけない何かがあるようでそれを俺で満たしているようなのだ。




俺はまずは咲子に話をしなければならなかった。


お屋敷のほうに電話をしたら休養のためにマンションにいると言われ、そのまま車をマンションへと向かわせた。







もしかしたら眠っているのかもしれない。





そう思い、合鍵で中に入る。






「咲子?」



いつも通り、廊下を進みリビングにたどり着く。

ソファーのかげから見えた脚に気がつき、俺は慌てて駆け寄った。




「咲子!!!」



倒れていた咲子は呼吸はしていたものの、真っ青な顔で体も冷たくなっている。


俺は慌てて救急車を呼んだ。
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