Vrai Amour ~秋緒の場合~
5.開放
校門まで迎えに行くと、千夏は真っ赤な顔で唇をとんがらせたまま俺を見上げた。



「なんだよ、会いたくなかったのか?」

「・・・制服でなんて・・・・」



ぶつぶつ言いながら車に乗り込む千夏の制服姿に目をやる。

膝上のチェックのプリーツスカートに、上は細身のベスト。

すらりと伸びた脚にニーハイソックスが似合っている。

髪は巻いていなくて、耳の上で結んであった。



「・・・制服でも可愛いよ」



運転席に乗り込みながらそう言うと千夏はもっと真っ赤になった。



「・・・セクシーな人が好きなくせに」



そう言いながらまた口を尖らせる。

・・・2,3日会わなかっただけなのに、その仕草がたまらなく可愛く見えた。

千夏が言う通り、俺が関係を持った女は可愛い系ではなく、セクシー系ばかりだ。

誘ってくるのがそういう女だけだったってだけだけど。
< 33 / 47 >

この作品をシェア

pagetop