Vrai Amour ~秋緒の場合~
「・・・どう?満足した?」
まだぐったりとしている咲子をそのままベットに残し、シャワールームへと入る。
今は夜中の2時。
週末は、俺と咲子だけのマンションの一室でその行為ばかりを繰り返す。
もちろんこのマンションも咲子が俺と会うためだけに買ったものだ。
なんでも揃ってるし、足りないものがあればすぐに執事が届けてくれる。
高層マンションの最上階のこのペントハウスは本当に最高の部屋だ。
正直働かなくても、咲子が養ってくれる。
大学を出てもテキトーに暮らしていられるのは咲子のおかげだ。
実家にはじいさんと、父の弟夫婦とその子供が暮らしている。
俺の両親は両方ともが愛人を作って出て行った。
残された俺はじいさんに引き取られたけど、あの家には居場所なんかなかった。
ああ・・・だからって決して成績が悪いわけじゃない。
留学だってしたし、MBAも取得した。
働こうと思えばいつでも働ける、しかも高水準の仕事で、だ。