Vrai Amour ~秋緒の場合~

「・・・も、もうっ」


千夏はテレながら、両手を俺の背中にまわし顔をうずめた。


そのあごをそっと押し上げ、正面から見つめる。


「・・・今夜は離さないから、覚悟して?」


2年も我慢させられた俺は、正直今晩だけで済むかどうか心配になる。

たぶん、一度抱いたらもうずっと欲しくなってしまう。

本当は今すぐにでも部屋に連れ込んで、この腕の中に埋め込んでしまいたいくらいだ。

でも、挨拶はもう少しかかりそうで、仕方なく俺は千夏の額にキスをして我慢する。




「ベタ惚れって本当だったんだ~」


その声に顔をあげると、美空と美桜の夫婦だった。
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