△~triangle~

「……それで?」

「それでって……貴方は自分の娘が心配ではないんですか?」

僕の咎める様な問いに彼は何か考える様に視線を落とすと、微かに吐息を漏らした。

「あの子は自分で望んでこの家を出て行った。あの子はもう大人だろう?好きなようにしたらいい」

分かっていた筈のその彼の答えに、沸々と怒りが込み上げる。

……そう……分かっていた事じゃないか。

……彼等はこういう人間だったと。
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