△~triangle~
十年の月日が経った《今》でも、私は時々この公園に向かった。
時間の許す限りそこで彼を待ち続けた。
しかし……彼に会う事は出来なかった。
十年経った今では、顔も姿も声さえも曖昧で、上手く思い出せない。
そんな彼を、私は今でも探し続けていた。
……私の初恋の人。
それが果たして大人になった今も《恋》と呼ぶべき感情なのかは分からない。
でも彼の存在は、消える事無い記憶は、繰り返し見るこの夢は……いつまでも私の胸を締め付ける。