△~triangle~
13 記憶の少年(ノラ)
そっと目を開けると、眩しい光が私を照らしていた。
少し目を細めたまま視線を移すと、そこには眠っている二人の姿が見える。
フローリングの床の上に広げられた大きなマットの上で、明、蓮、私と、川の字で眠っていた。
最初こそ男の人と並んで眠るなんて、緊張してなかなか寝付けなかったものだが、最近はすでに慣れ始めている自分がいる。
……誰かベッドに寝ればいいのに。
この部屋で目を覚ました夜、二人はベッドに寝なよと言ってくれたが、私は居候の身なので、二人を差し置いてベッドに眠るのは気が引けた。
《私は床でいい》《女の子だけを床に寝かせるワケにはいかない》の繰り返しで収拾がつかず、結局三人で平等に床に寝る事に決まった。
……何だかんだ言って、皆、頑固だと思う。
……もちろん私も含めて。
そんな事を考えながらそっと起き上がると、私の横で眠っていたクロが、毛玉の様に丸くなったまま静かに目を開く。