△~triangle~
14 弔いの花(蓮)

『どうしたらいいの!?お願いだから教えてよ!!』

そう声を荒げ、彼女はドンとカウンターを叩いた。

カウンターの中に立つこの店の店主はそれを見て、少し眉を顰め困った様に笑う。

『ねぇ!!聞いてるの!?』

そのヒステリックな声にウンザリした様に溜息を吐くと、手にしたグラスの酒を飲み干す。

『どうしたらいいって……何が?真弓さんは一体何がしたいの?』

哀れな彼女を嘲笑う様に笑みを浮かべ、小さく首を傾げて見せる。

すると彼女は苦しそうに下唇を噛み締め、グッと拳を握り締めたまま俯いた。

『どうして明は私の事を好きになってくれないの?どうして私だけを見てくれないの?教えてよ……蓮』

彼女は俯いたまま震える声でそう呟くと、縋る様な瞳で僕を見つめる。

その彼女の瞳に何故だか胸が苦しくなり、しかしそれを気取られない様にクスクスと笑い続けた。
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