△~triangle~
「もしも今でも君が僕の事を好きだと言うなら……僕等の関係は終わりだね」
「……どうして?」
僕の言葉にノラは縋る様な視線を僕に向けた。
「だって君は何も知らないじゃないか。僕の事も、明の事も……それに君自身の事だって」
そう言って自嘲気味に笑うと、ノラは僕の言っている意味が分からなかったのか小さく首を傾げて見せる。
……言っては駄目だ。
そう心の中の自分が必死に訴えるが、今の僕にはもう止められそうにもない。
これを口にすれば全てが終わってしまう。
もう……戻る事は出来なくなってしまう。
そんな事は分かっているはずなのに、僕は微かに笑みを浮かべたまま小さく口を開いた。