△~triangle~
「それでも君は僕を好きだって言うの?この世の誰よりも君を憎んでいるこの僕を……君は好きだって言うの?ねぇ答えてよ……綾香ちゃん?」
彼女の名を呼び首を傾げて見せると、彼女はビクリと微かに身を強張らせ……怯えた様に瞳を震わせて僕を見つめた。
今にも泣き出してしまいそうな彼女の瞳を見つめたまま、静かに迫る《終わりの時》を理解する。
……そう、いつかはこうなる事だった。
あの雨の夜、彼女がこの部屋に訪れてしまったあの日に……いや、ずっと前からこうなる運命だった。
そんな事を考えながら静かに彼女を見つめると、彼女は瞳を震わせながらゴクリと息を呑む。
そして小さく息を吸うと、それから真っ直ぐに……僕を見つめた。