△~triangle~
公園で不思議な少年に出会った事。
その少年と仲良くなった事。
その少年が大好きだった事。
その少年と会えなくなってしまった事。
その少年をずっと探していた事。
その少年をずっと……好きだった事。
ノラは遠い昔の記憶を懐かしむ様に、その少年との思い出を一つ一つ丁寧に教えてくれた。
しかしノラの口からその少年への想いが感じ取れる度に、胸が酷くざわめき、息も出来ないくらいに苦しくなる。
醜い嫉妬に駆られていると……自分でも理解出来た。
そんな感情を気取られない様に、小さく相槌を返しながらノラの話を聞く。
何も知らないノラは一生懸命、俺に説明してくれた。
……蓮との愛しい思い出を。
親父が見せた昔の写真で、そのずっと探していた思い出の少年が……蓮だと知った事。
それを蓮に問い詰めた事。
蓮はそれを認めようとしなかった事。
そして……今、こんな状況にある事。
全てを話し終えたノラは小さく溜息を吐くと、そっと唇に指を触れた。