△~triangle~
「ねぇ、ノラ。君は言ったよね?……僕が好きだって」
その僕の問いにノラは何か考える様に俯き、それからとても真剣な顔をしてコクリと頷いて返した。
「ねぇ、ノラ。それが君から……バイオリンを奪った男だとしても?」
「……え?」
嘲笑うかの様に笑みを浮かべる僕の問いが理解出来なかったのか、ノラはまた小さく声を漏らし首を傾げてみせる。
「君の腕がダメになったあの事故。本当は僕がやらせたんだ」
その僕の言葉に、ノラの瞳が見開かれる。
「あの事故で運転していた女性が亡くなったでしょ?僕があの人に頼んで君を襲わせたんだよ。まさか車で轢き殺そうとするなんて思わなかったけど」
そう言ってクスクスと笑って見せると、ノラはカタカタと体を震わせながら驚愕の瞳で僕を見つめた。