△~triangle~
「僕はこれからどうしたらいい?……おばあちゃん」
その問いに祖母が答える事は無く、僕の頬には透明な生温い涙が伝い落ちていく。
それは握り締めたままの祖母の手にポタポタと落ち、悲しい水溜りを作った。
僕は……ひとりぼっち。
たった一人きりの《家族》を失った今、何をすべきなのか、何を考えるべきなのか……何も分からなくなっていた。
「ねぇ……おばあちゃん」
そう小さく祖母を呼びながら、強く手を握り締める。
……決して離さない様に。
この手を失えば、僕は一人きり。
誰も僕の事を必要としない。
誰も僕の事に気付きはしない。
僕の居場所など、もう……この世にありはしないのだから。