△~triangle~
緑色の扉を押し開くと、そこにはズボラな彼が生活している狭い居住空間が見える。
ビールの空き缶に読み散らかしたままのイカガワシイ雑誌。
ゴチャゴチャと物の置かれたローテーブルには、吸い殻が山の様に積もった灰皿が見える。
それから今どき御目見えしない様な分厚いブラウン管テレビに、皮の禿げ掛けたボロボロの黒いソファー。
……汚い。
普段だったら絶対に足を踏み入れたくない空間だったが、居候の身としては文句など言えない。
彼は僕をソファーに投げ倒すと、これまたいつから使っているのか定かではない、ボロボロの毛布を投げ付けてくる。