△~triangle~
「大人しく寝てろよ!!」
「……は~い」
彼のその言葉に気の抜けた返事と、ヒラヒラと手を振って返す。
するとそれを見て彼は大きな溜息を吐き、ヤレヤレと肩を竦めて見せた。
「じゃ、俺は戻るから、何かあったら呼べよ」
そう言って彼は僕に背を向けると、そのまま店内へと戻っていこうとする。
「うん……ごめんね」
「はぁ!?」
彼の背中に投げ掛けた僕の言葉に、彼は眉をこれでもかと吊り上げて勢いよく僕を振り返る。
「あ、間違えた。……ありがとう」
そう慌てて言い直すと、彼は満足そうにニヤリと不敵な笑みを浮かべ、そのまま店へと戻って行った。
その彼の背中の消えた扉を暫く見つめていると、それから大きな溜息を吐く。