△~triangle~

……ずっと思っていた。

僕を必要とする人なんて、この世に存在しない……と。

誰も僕を必要としない。

誰も僕を愛しはしない。

僕は永遠に……一人なのだと。

でも……本当は知っていた。

僕は沢山の人の優しさに守られて……今まで生きて来れたのだと。

僕を産んでくれた母に……僕の傍に居てくれた祖母に……僕を受け入れてくれた父に……僕の心を分かってくれた弟に……そして……

その分かっていた筈の答えはそこで詰まり、ギュッと強く瞳を閉じたまま小さく首を横に振った。

……でも、もう戻れないんだ。

もう……全てが遅過ぎる。

そう全てを諦めた様に俯いた……その時だった。
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