△~triangle~

バシャッと顔面に、冷たい何かが掛けられた。

目を開けそっとそれを拭えば、それがただの水だという事に気付く。

頭から水を滴らせる僕の姿に、後ろでバタバタと暴れていた二人も、茫然と僕を見つめているのが分かる。

「……な、なんで……」

そう言って、目の前で空になったグラスを手にした……和也を見つめた。

「そんな顔するぐらいなら、とっとと帰れ!!」

和也はそう言ってトンとカウンターにグラスを置くと、順平に向かって顎をしゃくった。

すると順平は慌ててノラから距離を取り、困った様にオロオロと僕と和也を見つめている。
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