△~triangle~

「……ノ……ラ」

震える声で彼女を呼ぶと、ノラは優しい笑みを浮かべて見せる。

「一緒に……帰ろう」

そう彼女は囁くと、小さく首を傾げて僕の答えを待つ。

……どうしてこの子はこんなにも優しいのだろうか。

僕はどんなに君を傷付けたか分からない。

それなのに君は……

「皆……待ってるよ」

その彼女の言葉にグッと息を呑むと、それからそっと彼女の手に触れる。

その白く小さな手は温かく、そして……震えていた。
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