△~triangle~

「蓮……貴方は強いのね。本当に私の子供とは……思えないくらいに」

そう言って彼女は自嘲気味に笑うと、ギュッと強く僕の手を握り締める。

その彼女の言葉に困った様に笑って返すと、それから小さく首を横に振った。

「僕は強くなんてないんです。弱くて、ずるくて、汚くて……でも、そんな僕を信じてくれる人達がいる。僕を待っていてくれる人達がいるんです。だから僕は……大丈夫」

そう言って涙を流したままニッコリと笑って見せると、母はその言葉に全てを理解したのか、少しだけ悲しそうに……でも、とても嬉しそうに優しい笑みを浮かべて見せた。
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