△~triangle~

「……なに?」

不思議そうに俺を見つめる二人に、小さく首を横に振って見せる。

「なんでもない」

そう言ってシロを抱えたまま、そっとノラへと近付くと、ノラは少し驚いた様に目を丸くした。

「ちょっと……狭いってば」

俺と蓮、そしてシロにひっつかれる様に挟まれるノラは、そう言って困った様に声を洩らした。

「いいの、いいの。今日は……これでいい」

その俺の言葉にノラは静かに俺を見つめ、それで全てを理解したかの様に、コクリと頷いた。

それから三人と猫一匹で、特に何をするわけでもなく、空を見上げていた。
< 424 / 451 >

この作品をシェア

pagetop