△~triangle~
「……なに?」
不思議そうに俺を見つめる二人に、小さく首を横に振って見せる。
「なんでもない」
そう言ってシロを抱えたまま、そっとノラへと近付くと、ノラは少し驚いた様に目を丸くした。
「ちょっと……狭いってば」
俺と蓮、そしてシロにひっつかれる様に挟まれるノラは、そう言って困った様に声を洩らした。
「いいの、いいの。今日は……これでいい」
その俺の言葉にノラは静かに俺を見つめ、それで全てを理解したかの様に、コクリと頷いた。
それから三人と猫一匹で、特に何をするわけでもなく、空を見上げていた。