△~triangle~
「にゃお~ん」
その電子音に答える様に、白い猫は甘い声で鳴き、玄関の扉の前にちょこんと腰を下ろした。
少女は暫く呆然とその猫を見つめていたが、何かを理解したのか、ゴクリと息を呑んで早足で玄関へと向かって行く。
少女の胸はドクドクと壊れそうな程に鼓動を速め、今にも口から飛び出してしまいそうな心臓を抑える様に、そっと胸に手を触れる。
それから少女は微かに震える手でそっとドアノブに触れると、次の瞬間、思い切って扉を開いた。
そしてその先に見えた、思った通りの姿に……少女は震える唇を開いた。
「おかえりなさい」
そう言って少女は笑った。
その笑みはまるで空に輝く太陽の様に眩しい……そんな微笑み。