△~triangle~

「私は二人が居てくれるだけでいいよ。二人が笑ってくれてたら……それでいい」

突然のその彼女の呟きに、思わず目を丸くした。

するとノラはニッコリと眩しい笑みを浮かべながら、味噌汁のお椀に手を伸ばす。

その横で明も味噌汁を啜りながら、クスリと吐息を洩らした。

……どうやら二人には僕の考えが筒抜けだったらしい。

そんな彼等の姿に困った様に笑みを浮かべると……小さく胸が高鳴った。

それと同時に、僕はやっと気付いた気がする。

僕の中にあった、ずっと隠して、気付かないふりをしていた……《本当の気持ち》
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