△~triangle~
「二人ともお前の事が好きだって言ってんの。で、お前が好きな方を選んでよし。どっちを選んでも、文句は無しって事で……いいな、蓮」
「……別にいいけど、ノラ、一年前は僕が好きって言ってた気がするけど」
僕のその素っ気ない答えに、明は少し怯むが、しかし彼はブンブンと首を横に振って、ノラを真っ直ぐに見つめた。
「で……どっち!?」
その迫る様な明の問いに、ノラは引き攣った笑みを浮かべたまま、救いを求める様に僕に視線を送る。
それに答える様にニッコリと笑みを返すと、ノラは呆れた様な深い溜息を吐いた。
……僕には分かっていた。
きっと今の彼女がどちらも選ばない事を。
でも……やっと気付いた気持ちを、彼女に伝えなくてはならない。
……そんな気がしたから。