--測定不可能--


襖があいて、さっきの男子と思われる人が入ってきた。




「あ…あの、ここ……」


「びっくりしたよね?ごめんね…。気分はどう?」


「うん…大丈夫……。えっと……………私……」


「倒れてたんだよ!第二特別教室の入口で…。だから保健室につれていこうと思ったんだけど、保健室閉まってたからさ…。俺ん家学校から近いから、嫌かと思ったけど背負って連れてきた。」



「せ、背負って…?………ありがとう…。」



彼はにっこり笑った。



「俺、早川 空!2年8組!……君は…?」



「…あ、空部 満…だよ…。3組…。」



「あ、3組は8組と階が違うから、俺のこと知らないかな?」



この子は私の名前を聞いてもあまり反応がない。
階が違っていても知っている人は少なくないはずだ。




どうして……?





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