--測定不可能--


階段を下り、居間の横のドアを開けると、違う世界が広がっていた。



そこは、オシャレな音楽が流れ、コーヒーのいい香りが漂う、小さなカフェだった。


丸テーブルが二つあって、そこに小さなメニュー表が置いてある。


暗い赤茶のカウンターテーブルの向こうでは深緑のエプロンをしたおじさんが鼻歌を歌いながら、カップを拭いていた。




「とーちゃんっ!」



空くんがカウンターの中に入っていった。
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