--測定不可能--


「おー、空!…あ、あの子、起きたのか?」


「うん、ほら。空部 満ちゃん。まだ気分悪そうだからさ、俺、ごちそうしようかなって…」


「そうかそうか!じゃぁ、ここ使え。………満ちゃん、ここ座って…?」



空くんのお父さんはカウンターから出て来て、私のために椅子をひいてくれた。


それから、レコードのところまで行って、今流れている曲を止めると、脇の棚から、違うレコードを探し出した。


「どれがいいかな…?」

「とーちゃん、あれ流して!あれ!」


空くんのお父さんは一瞬びっくりした顔をしてから、空くんそっくりの微笑みを浮かべて、少し色褪せたピンクのレコードを取り出した。




柔らかいメロディがきこえてきた。

綺麗な音楽だ。


ゆったりとした気分になる。





聞いたことのない曲だけれど…






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