--測定不可能--
そんなことをしている間に、空くんはお父さんと同じ色のエプロンをかけて、手を洗っている。
綺麗な指。
そっと私の指と見比べてみた。
私よりもずっと綺麗な指だった。
空くんはその綺麗な指で、手品のようにコーヒーを煎れはじめた。
ずりずりずり…
豆を挽いて
こぽこぽ…
はじめは少しだけお湯を注ぐ。
途端に、いい香りがしてきた。
「わぁ…」
思わず声がでた私に空くんは微笑みかけてきた。
こぽこぽこぽこぽこぽこぽ…
空くんがさらにお湯を注ぐ。
豆がどんどん膨らむ。
私の期待もどんどん膨らむ。
空くんの目はなんだかキラキラしていた。