--測定不可能--
花と時計
花を依頼料としているのも、時計の音を数えるのも、まだ満と仲がよかったときについた癖だった。
私はあまり、花には興味がなかったけど、満は意外にもロマンチストで花が好きだった。
道端に咲いている花でも、大抵のものは名前を知っていて、知らないものがあったら、すぐに調べて、次の日には教えてくれた。
そんな満はデートの度に、私に花をプレゼントした。一輪だけのときもあれば、小さな花束のときもある。
記念日には、大きくて豪華な花束だ。
待ち合わせ場所で花束をもって、壁に寄り掛かっている満は、なんだか少し時代から外れている感じだったけれどかっこよかった。
私はお気に入りの花瓶をたくさん買って、満からもらった花を次から次へとさしていく。
私の部屋はいつも花でいっぱいだった。