ケンカ+理解×大好き=友情
知り合いが誰もいない大学生活。
心細さを感じず毎日笑って過ごせたのは、他でもない、ミサキのおかげだよ。
ミサキがいたから、学部の違うあっちゃんとも知り合うことが出来た。
ワンゲル部に入って最初にあった新歓コンパ。
あっちゃんは、調子に乗って酒を飲みまくり酔いつぶれた私とミサキに付き添ってくれ、タクシー呼んで家まで送ってくれた。
3人でダーツのあるカラオケ店に行った夏前。
待ち合わせしてた駅のホームで、ガラの悪い男子高生たちに絡まれて困っていた私とミサキを助けてくれたのも、遅れてやってきたあっちゃんだった。
「俺が遅刻したせいで、嫌な思いさせてごめんな」って、カラオケの後、ボーリング3ゲームと夜ご飯までおごってくれた。
あっちゃんは進学のために新幹線で4時間はかかる他県からこっちにやって来て一人暮らしをしている身。
しかも、親には学費しか出してもらってなくて、生活費とアパートの家賃はバイトを掛け持ちして工面している……。
そんなあっちゃんにとって、人に何かをおごることはつらかったと思う。
お金を出してもらったことが嬉しいんじゃなくて、自分にとっての損得を考えずに私たちを思いやってくれる、あっちゃんのあったかい心が大好きなんだ。