ケンカ+理解×大好き=友情
思い切って言った。
「ミサキの考えを否定する気はないけど、私はあっちゃんと友達でいたい。
絶交なんてしたくないよ」
「ナルミは中立ってわけか……」
ミサキの声は地中並みに低い。
気まずく長い沈黙が漂った……。
ミサキに出したテーブルの上の麦茶は、口をつけられていないから一滴も減ってない。
こんな静かな時に限ってその中の氷が動いたりするから、涼しい室内に響く涼しげなカランという音が、さらに私の気持ちをうわずらせた。
「……ナルミって、いつもそうだよね」
「え……?」
責めるようなミサキの視線に、居心地の悪さを感じる。
ミサキがこんな目をするのは、中学の時にした大ゲンカ以来だった。
「いつも、って?」
訊(き)き返すのと同時に、手のひらに汗が出てくる。